ダークウェブとは?危険性や企業が被害を受けた事例、対策などを解説
ダークウェブは匿名性が高く、通常の方法では検索できないWebコンテンツにアクセスできるインターネットの一部です。
従業員がダークウェブにアクセスすることで、ウイルスに感染するリスクが高く、企業が保有する個人情報や社内情報が流出するリスクも高まります。
また、匿名性の高さから、違法取引や犯罪の温床にもなっており、様々なサイバー犯罪に利用されています。
本記事では、ダークウェブの危険性や企業が被害を受けた事例、脅威から身を守る対策などを解説します。
ダークウェブとは?
ダークウェブとは、通常のブラウザや検索エンジンではアクセスできないWebサイトをさします。
特別なWebブラウザを介してインデックスされていないWebコンテンツに、匿名でアクセスできるインターネットの一部です。
なお、ダークウェブへのアクセス自体に違法性はありませんが、匿名で追跡不能な状態を維持できるため、犯罪に利用されることもある点は理解しておきましょう。
ダークウェブと通常のサーフェスウェブの違い
ダークウェブは匿名性が高いインターネットのウェブのひとつです。誰でも閲覧可能なサーフェスウェブとは異なり、一般の検索エンジンではアクセスできません。
ダークウェブでは様々な暗号化とルーティング手法によって匿名化が維持され、一部の特殊なブラウザだけが接続・閲覧できるサイトです。
ダークウェブは一般に違法行為と関連付けられていますが、諜報機関や内部告発者、メディア関係者、通信が監視、制限されている可能性のある一般市民にも利用されています。
ダークウェブの危険性
ダークウェブにアクセスすること自体は、違法ではありませんが、違法性が高いものが取引されているため、興味本位でアクセスすると犯罪に巻き込まれる恐れがあります。
- ウイルスに感染する可能性がある
- 犯罪に加担する可能性がある
- 犯罪被害に遭うリスクがある
一般に公開されているサーフェスウェブとは異なり、セキュリティ対策がなければ利用することも危険とされているので注意が必要です。
ウイルスに感染する可能性がある
ダークウェブでアクセスできるWebコンテンツのなかには、ウイルスが仕込まれている可能性が高いです。
ダークウェブにアクセスして利用しているパソコンがウイルスに感染すると、以下のトラブルが発生しやすくなります。
- 個人情報や社内情報の漏洩
- パソコンやデータの破損
- ランサムウェアによる身代金要求
社員が業務で使うパソコンでダークウェブにアクセスすると、社員自身の個人情報だけでなく、社内情報が漏洩したり、データが破損したりする恐れがあります。
最近は、ファイルを暗号化して利用不可能な状態にし、元に戻す代わりに金銭を要求するランサムウェアの事例も増加しているため、注意しましょう。
社員が業務用のパソコンでダークウェブに接続しないように、指導や設定を行うことが極めて重要です。
犯罪に加担する可能性がある
ダークウェブへのアクセスは、意図せずに犯罪に加担することになり得ます。違法なコンテンツやサービスに関わることで、自分が知らない間に誰かに迷惑を与えてしまうリスクが伴います。
また、マルウェアに感染することで、顧客の個人情報が流出した場合は、他の企業や顧客にまで被害が広がる可能性が高いです。
マルウェアやウイルスへの感染は、さまざまなセキュリティリスクの原因となる可能性があるので、十分にセキュリティ対策を施したうえで利用しましょう。
犯罪被害に遭うリスクがある
ダークウェブ上で取引されているものには犯罪に関わるものが多いです。具体的には、企業が保存している以下の情報が取引される可能性があります。
- 社員や顧客の個人情報
- ログイン情報
- 脆弱性情報
氏名や住所、メールアドレス、電話番号などの個人情報や、特定のウェブサイトのIDやパスワードと、氏名やクレジットカード番号などの個人情報がセットで販売されているケースもあります。
また、企業のサーバーの脆弱性を悪用し、不正アクセスや詐欺に利用された場合は、企業の信用を損ねる可能性が高いので注意しましょう。
ダークウェブによる企業の被害事例
2024年、ダークウェブ上に某出版企業のユーザー情報が流出する事例がありました。当時漏洩したおもな情報は以下のとおりです。
- 社員情報
- 機密情報
- 契約書
- ETCの利用IC名
- 財務記録
情報漏洩に加えて、企業の複数のサーバーが大規模なサイバー攻撃を受け、サービスにアクセスできない障害も発生しました。
当時の報告によると、個人情報の流出は25万人以上に達し、様々な社内情報や社外情報も流出し、事態の復旧と再発防止に向けた取り組みなどを求められました。
近年、サイバー攻撃やウイルスによる情報流出の事例は多数報告されています。ダークウェブの脅威から企業を守るためには、総合的なセキュリティ対策が不可欠です。
ダークウェブの脅威から身を守る対策
ダークウェブ上では、匿名性の高さから違法性の高いものも多く取引されています。違法な物品の取引だけでなく、企業が保有している個人情報や機密情報が狙われ、ダークウェブ上で取引されることも珍しくありません。
ダークウェブによる犯罪被害を防ぐためには、積極的に打てる対策を行うことが大切です。具体的に打てる対策を3つ紹介します。
- ダークウェブへのアクセスを禁止する指導を行う
- セキュリティを向上させる
- 定期的なモニタリング
ダークウェブへのアクセスを禁止する指導を行う
まずは、社員がダークウェブにアクセスしないように指導し、ウイルスに感染するリスクを抑えてください。社員に対してダークウェブへのアクセスによるリスクを説明し、あらかじめルールを設けておくと良いでしょう。
しかし、ダークウェブを利用する行為自体は違法ではないため、社員が興味本位でアクセスする可能性はあることを覚えておきましょう。
セキュリティを向上させる
ダークウェブ上での情報漏えいを防ぐには、セキュリティ対策が必須です。1人の個人情報が漏洩してしまうと、他の個人情報の漏洩やセキュリティの脆弱性が生じ、重大な損害をもたらす可能性もあります。
サイバー攻撃に備えて、社員のアカウントや企業データを厳格に管理し、不正アクセスでデータが漏洩しないよう強力なパスワードを設定するべきです。
また、セキュリティ対策ソフトを使用すれば、情報漏えいを防止することに加えて、漏えいした情報の発見・対処がスムーズに行えます。
ダークウェブで被害に遭わない、または被害を拡大化させないためにも、セキュリティ対策ソフトを利用しましょう。
定期的なモニタリング
個人情報が漏洩した際の早期発見のために、ダークウェブの定期的なモニタリングを実施してください。
万が一情報が流出した場合は、流出した情報の内容や件数、予想される被害などを調査し、取引先や顧客に通知するなどの早急な対応が必要です。
ダークウェブでは、盗まれた個人情報が日々取引きされています。ダークウェブモニタリングを通じて自社の企業情報が取引対象となっていることが判明した場合、被害を最小限に抑え、迅速な対応が可能となるでしょう。
ダークウェブに備えて情報収集するなら「情報セキュリティEXPO」へ
ダークウェブは匿名性の高いインターネットの一部です。通常の方法では検索できないWebコンテンツへのアクセスが可能で、違法取引や犯罪の温床にもなっており、過去の様々なサイバー犯罪とも繋がりがあるとされています。
最近は企業が保有している情報を狙ったサイバー攻撃が増加しているため、ダークウェブの脅威に備えて、企業情報が漏洩していないか定期的にチェックし、セキュリティを強化していくべきです。
「Japan IT Week」の「情報セキュリティEXPO」では、最新のセキュリティに関するサービスや情報が公開されています。ダークウェブに備えたい企業の責任者さまは、ぜひご来場の上、最新の情報収集にお役立てください。
また、最新のセキュリティサービスやツールを提供している企業は、自社をアピールでき新規顧客開拓につながるため、「情報セキュリティEXPO」への出展もご検討ください。
下表に、開催地域・開催場所・日程をまとめました。
ダークウェブは危険なので対策を検討しよう
ダークウェブは通常の方法で検索できないWebコンテンツにアクセスでき、その匿名性の高さから、犯罪行為が行われる場所です。
社員がダークウェブにアクセスした結果、業務用パソコンがウイルスに感染したり、企業が保有している情報が流出したりする可能性があります。
ダークウェブへの漏洩によるリスクから企業を守るために、社員のセキュリティ教育や社内のセキュリティ対策を向上させましょう。
最新のセキュリティ対策を詳しく知りたい、あるいはダークウェブへの対策を相談したい企業の責任者さまは、「Japan IT Week」内の「情報セキュリティEXPO」で情報収集してはいかがでしょうか。
また、最新のセキュリティを提供している企業の場合は、新規顧客開拓のために、ぜひ出展をご検討ください。
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▶監修:大岩俊之氏
プロフィール:家電製品総合アドバイザー
理系出身の元営業マン。大学ではAI(人工知能)を学びITエンジニアとして就職し、のちに電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。