顔認証(顔認識)システムとは?仕組みや導入するメリット、活用シーンを詳しく解説!

近年、社会の様々なシーンで顔認証(顔認識)システムが活用されています。報道・会議・セミナーなどで単語を見聞きした経験や、日常生活や仕事で顔認証システムを利用した経験がある方も多いのではないでしょうか。

顔認証システムは、適切な管理体制のもと運用できれば、 セキュリティの水準やサービスの質を向上させられるなど、ビジネスにおいて大きなメリットを得られます。

本記事では、顔認証システムの仕組みやメリット・デメリット、主な活用シーンを紹介します。顔認証システムの導入・運用に携わっている方は、ぜひ参考にしてください。

日本最大のシステム開発・保守・運用のための展示会

【構成展示会】
ソフトウェア&アプリ開発 展、
IoT・エッジコンピューティング EXPO、
情報セキュリティ EXPO、 データセンターEXPO、
IT人材不足対策 EXPO


顔認証(顔認識)システムとは

顔認証システムとは、生体認証システムの一種で、カメラで撮影した画像から本人確認を実施するシステムです。人間の顔を検出した上で、顔の目・鼻・口などの特徴点の位置や大きさを読み取って、本人であるかどうかがチェックされます。

顔認証システムに似た単語に「顔認識システム」がありますが、画像から人間の顔を検出し、性別・年齢・表情などを識別するシステムを意味します。顔認証システムも顔認識システムも、活用される分野・領域が拡大中です。


顔認証(顔認識)システムの仕組み

様々な企業によって開発・販売されている顔認証(顔認識)システムは、以下の2方式に大別されます。

  • デバイス方式
  • クラウド方式

各方式の技術・仕組みを紹介します。


デバイス方式による顔認証(顔認識)システム

デバイス方式とは、顔認証に必要なシステムが組み込まれた専用デバイスを用いて、リアルタイムで顔面形状の検出などを実施する方式です。「エッジ方式」と呼ばれる場合もあります。

必要最小限の暗号化された画像データのみを外部のデータベースに送信するため、遅延が発生しにくいことが特長です。


クラウド方式による顔認証(顔認識)システム

クラウド方式とは、カメラで撮影した画像・映像をクラウドサーバーに送信し、サーバー上で処理を実施する方式です。

専用のデバイスを購入・設置する必要がないため、低コストでシステムを導入できます。ただし、デバイス方式に比べると認証実施速度が遅い点にご留意ください。


顔認証システムを導入するメリット

顔認証システムを導入すれば、セキュリティ水準やサービスの質が向上する他、感染症対策でも役立つでしょう。以下、主なメリットに関して詳しく説明します。


厳格な本人確認を実施できる

社員証やICカードなどを用いて本人確認を実施する場合、それらを拾ったり盗んだりした第三者が悪用して本人になりすますリスクがあります。

しかし、顔認証システムでは、顔面形状(目、鼻、口、顔の輪郭などの顔の形状や特徴)の生体情報を用いるため、厳格な本人確認の実施が可能です。なりすましのような不正行為を防止したいのであれば、顔認証システムの導入を検討しましょう。


各顧客に適したサービスを提供できる

顔認証(顔認識)システムを活用すれば、顧客の行動や属性データを自動的に記録できます。

取得した行動パターンなどを踏まえて顧客ごとにサービスをカスタマイズできるため、顧客満足度が向上し、売上増につながるでしょう。また、あらかじめ登録されたVIP顧客を識別して、特別なサービスを提供することも可能です。


非接触で利用できる

生体認証としては、顔認証以外に、指紋認証や静脈認証などの選択肢もあります。しかし、指紋認証や静脈認証の場合、デバイスに触れなければいけません。

顔認証システムであれば、非接触で対応できるため、衛生面で優れています。また、両手に荷物を持ったままでも機能する利便性の高さも、顔認証システムならではの魅力です。


顔認証システムのデメリット

顔認証システムは万能ではなく、指紋認証に比べて精度が低い点がデメリットです。生体情報を取り扱うため、厳格な管理体制の構築も欠かせません。以下、詳しく説明します。


指紋認証よりは精度が低い

生体認証は、顔認証以外に、しばしば指紋認証も活用されます。近年、顔認証の精度が向上していますが、指紋認証に比べると低いことにご留意ください。

また、システムによってはマスクを着用している人物に対して機能しない場合があることも、顔認証の課題です。ただし、最近では、マスクを着用した状態で顔認証が可能なシステムもリリースされています。病院など、マスクを着用する方が多い施設で活用するのであれば、仕様を確認した上で顔認証システムを導入しましょう。


情報の厳格な管理が不可欠

顔認証システムでは、顔面形状の生体情報を収集・分析・保管するため、外部に漏洩しないように厳格に管理しなければいけません。

顔認証データは、個人情報保護法によって「個人情報」の一種とされています。個人情報を取り扱う際は、利用する目的を具体的に特定した上で、「公式サイトで公表する」などの方法により、本人に知らせる必要があります。


顔認証システムの活用シーン

国家レベルから一企業レベルに至るまで、多種多様なシーンで顔認証システムが活用される時代が到来しました。以下、主な活用シーンを紹介します。


国家インフラ

顔認証システムは、出入国管理(顔認証ゲート)やマイナンバーカードなどの国家インフラで活用されています。

顔認証ゲートは、パスポートのICチップに格納された画像と、カメラで撮影された顔の画像を照合して本人確認を実施する設備です。また、マイナンバーカードの交付時や、医療機関などでカードを提示した人物が本人であるかどうかを確認する際に、顔認証が実施される場合があります。


セキュリティ対策

官公庁や企業、学校、病院などで、入退室を管理するために顔認証システムが利用される場合があります。システムに、出退勤管理や検温の機能を搭載することも可能です。

物理的な鍵やICカードで入退室を管理している場合、紛失したり盗難されたりした鍵・ICカードが第三者に悪用されるかもしれません。しかし、生体情報である顔面形状データで本人確認を実施すれば、不正入室・なりすましを防止できます。


高品質なサービスの提供

店舗や施設などで顔認証システムを活用すれば、より高品質なサービスを顧客に提供できます。例えば、スポーツジムの入退館を顔認証で実施すれば、受付スタッフの確保が難しい時間帯でも営業できるため、売上増につながるでしょう。

近年、顔認証で決済するサービスも登場しています。スマートフォンやクレジットカードなどを持たなくても、手ぶらでショッピングできるため、顧客満足度の向上を期待できます。また、テーマパークなどでは、チケットをチェックして入場を制御するのではなく、顔認証で実施すれば、入口付近での混雑を緩和可能です。

さらに、顔認証システムは、従業員満足度の向上にも役立ちます。オフィス・店舗などで入退室を管理する手段として顔認証を採用すれば、ICカードを取り出す手間が省け、従業員にとっての利便性が高まります。

工場でのウォークスルー認証を実現できることも、顔認証システムの魅力です。ウォークスルー認証とは、立ち止まらずに歩いている状態のまま本人確認を実施する仕組みであり、業務が効率化されます。工場では両手で荷物を持つケースもあるため、ハンズフリーで出入りできれば、安全性も向上するでしょう。


「IoT・エッジコンピューティング EXPO」で顔認証(顔認識)に関連した技術・製品・サービスを探そう

RX Japanが主催する展示会「Japan IT Week」の「IoT・エッジコンピューティング EXPO」では、顔認証(顔認識)に関連した技術・製品・サービスが多数展示されます。

顔認証(顔認識)システムの導入を検討している場合は、ご来場の上、最新情報を収集してはいかがでしょうか。また、顔認証(顔認識)に関連した技術・製品・サービスを開発・販売・提供している企業の場合は、新規顧客開拓のために、ぜひ出展をご検討ください。

下表に、開催地域・開催場所・日程をまとめました。


日本最大のシステム開発・保守・運用のための展示会

【構成展示会】
ソフトウェア&アプリ開発 展、
IoT・エッジコンピューティング EXPO、
情報セキュリティ EXPO、 データセンターEXPO、
IT人材不足対策 EXPO


顔認証を導入してセキュリティ水準やサービスの質を向上させよう

近年、社会の様々な分野・領域で、顔認証(顔認識)システムが活用されています。セキュリティの水準やサービスの質を向上させ、売上増を実現するために、顔認証(顔認識)システムを導入してはいかがでしょうか。

RX Japanが主催する展示会「Japan IT Week」の「IoT・エッジコンピューティング EXPO」では、顔認証(顔認識)に関連した技術・製品・サービスが数多く展示されます。顔認証(顔認識)システムの導入を検討している場合は、ご来場の上、最新情報を収集しましょう。

また、顔認証(顔認識)に関連した技術・製品・サービスを開発・販売・提供している企業の場合は、新規顧客開拓のために、ぜひ出展をご検討ください。

 

「Japan IT Week」来場案内はこちら
「Japan IT Week」出展案内はこちら


▶監修:大岩俊之氏

プロフィール:家電製品総合アドバイザー
理系出身の元営業マン。大学ではAI(人工知能)を学びITエンジニアとして就職し、のちに電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。



IT・DX・AI総合展